2009年6月13日土曜日

<慢性肝炎>

 慢性肝炎の場合は、急性肝炎と違って肝細胞の壊れ方がゆっくりで、自覚症状が現れにくいです。
肝臓病になると必ず出ると思われている黄疸も慢性肝炎の場合は出ません。
 しかし激しい運動や、飲酒等で肝臓に負担をかければ尿が濃く、肌も黄色みを帯びてきます。
慢性肝炎が悪化すると、黄疸は出ませんが、疲れやすく、食欲不振、吐き気を伴うことがあります。 


<原因> 
 慢性肝炎の原因は、肝炎ウイルスによるものです。
3割がB型肝炎、残りはC型肝炎によるものだと言われています。
年齢的には40代から50代にかけて人間ドックなどの健康診断で見つかることが多いようです。
慢性肝炎で死に至ることはありませんが、完全に治すことができず、肝硬変に移行することもありえます。
肝硬変になると肝がんになる場合があるので、注意が必要です

<妊娠中の肝臓病>

 肝臓は食物から吸収された栄養物が代謝され、不要物質や余計な女性ホルモンの分解を行います。

 肝臓障害のある女性は、妊娠することにより数百倍にも増えたステロイドホルモンが分解されず、肝臓の負担が増幅し黄疸が出る場合があります。

 この黄疸は出産後には、自然治癒しますので心配はいりませんが、妊娠中は肝機能検査を受けたほうが安心です。

<原発性胆汁性肝硬変>

 40歳以上の女性では、免疫異常のため肝硬変が起こることがあります。
皮膚がかゆくなったり、額に板状やいぼ状のこぶができたりすることもあります。

 最近ではミトコンドリア抗体という検査で早期発見が可能になりました。
 病気が進行すればコレステロール値が高くなり、黄疸が出たりします。

 原因不明のかゆみが出たり、コレステロール値が高くなりだしたら肝臓検査を受けてください。

<劇症肝炎>

 劇症肝炎は、急性肝炎や薬物による肝障害、アルコール性肝炎の最も重篤な病気で、意識障害から起こり、1週間から10日ほどで市に至ることもある病気です。
 急性肝炎のうち2パーセントは劇症肝炎になると言われており、そのうち8割から9割と言われるくらい死亡率は高いです。 

 黄疸が出てから1週間以上も食欲不振、倦怠感、嘔吐や吐き気、不眠の症状が続きます。
これらに加え、発熱、筋肉痛、腰痛、甘酸っぱい口臭が出たら要注意です。

 黄疸が強く出、意識障害も出始め、異常行動に移ったりするので精神病では?と思われたりしますが、そのうち震えが来て昏睡状態に陥ります。


<原因> 
劇症肝炎の原因は、肝炎ウイルスによるものです。
肝炎ウイルスの中で劇症化するのは、B型肝炎でA型肝炎は劇症化しません。
劇症肝炎は死に至る確立が非常に高いので、A型肝炎以外は特に注意が必要です。
症状が出始めたら至急適切な処置を受けてください。

<急性肝炎>

 肝炎ウイルスによって肝細胞が壊れ、そして炎症が起きるものを急性肝炎といいます。

 ウイルスの種類により経過は違いますが、症状はあまり変わりません。
肝臓は、体を維持していく上で不可欠な栄養の合成、分解、代謝、毒物の分解等を担っている重要な役割を持っています。
 そのため肝細胞に障害がおきると、全身が非常にだるくなり疲れるようになります。 

 一般に肝炎は黄疸が出るとされますが、初期には目に見えるものは少ないため、風邪症状と間違われることがあります。
 肝臓は痛みを感じる神経がないため、多少悪くなっても察知することは難しいです。
 しかし炎症を起こすと肝臓がはれ、肝臓を包んでいる膜が引っ張られるため腹痛を起こすことがあります。
 吐き気や食欲不振を起こしたりするので、胃腸の病気と間違われることがあります。

 だいたい発病後、4日~1週間ほどで、尿が茶褐色になり、黄疸が出て肝炎と診断されることがあります。

<肝硬変の症状>

・意識混濁があり、おかしな行動をとる 
・小さな血管のこぶから放射状に細い血管が広がる 
・女性ホルモンの処理が出来ないため、男性でも女性のように乳房がふくらむ 
・おなかの一部から蛇がはったように血管がふくらむ 
・おなかに水がたまる 
・腸内にガスがたまり、おなかが張る 
・足首やひざがむくむ 
・てのひらの周囲が赤くなる

などです。
このような症状が現れたら、ぜひ病院を受診することをお勧めします。

<肝硬変>

 慢性肝炎が長期間続くと、肝細胞が破壊され線維ができ、これが肝硬変になります。
肝臓は元はやわらかくつるつるしていますが、細胞の破壊と再生が繰り返されるため、だんだん硬くなりぼこぼこになってしまいます。
 このようになると元には戻らなくなり、肝臓内の血圧循環が悪くなってしまい、解毒作用もできなくなります。
 ひどい場合は昏睡状態に陥り命の危険性も出てきます。 

 肝硬変を起こす原因はB型肝炎ウィルスとC型肝炎ウィルスです。
アルコールが原因で肝硬変にもなりやすいので要注意です。
 働き盛りの40代から60代の男性に圧倒的に多く、女性の場合は更年期を過ぎてから発症する傾向にあります。 

 慢性肝炎の人は、定期的に検査を受けてください。
そうすれば肝硬変に移行することは少ないですよ。

<C型肝炎>

 C型肝炎は気づかないうちに慢性化するので要注意です。

 C型肝炎ウイルスによるものは、慢性肝炎が8割、肝硬変7割、肝がん9割と言われています。
 病状はA型肝炎やB型肝炎と似ていて、食欲不振、体がだるい、嘔吐、吐き気などです。
自覚症状がはっきり出ず、黄疸が出ても軽度のため気づきにくいようです。

 C型肝炎は半数は慢性化してしまうので注意が必要です。

<B型肝炎>

・原因 
B型肝炎の感染の仕方には、血液や体液による水平感染と、出産時に起こる母子感染の2種類があります。
水平感染は、性行為や輸血、医療上の事故等によって生じるものです。
B型肝炎の潜伏期間は、1~6ヶ月で、水平感染の場合、症状や経過はほぼA型肝炎と同じです。
母子感染の場合は、血液中に長く留まっているため、10数年以上たってから発病することが多いです。


・治療 
B型肝炎にかかったら、治療は2~3ヶ月入院することになり専念しなければなりません。
黄疸が出て、食欲のないときは点滴がなされます。

 肝臓は臓器の中でも最も再生能力に優れている臓器なので、日常生活に注意すれば半年ほどの間で自然治癒も可能です。 

 退院後はしばらく無理をせず、静養すれば職場復帰も可能で、スポーツも大丈夫です。

<A型肝炎>

A型肝炎は、食べ物や飲み物を介して感染します。
生魚を食べたり、井戸水をそのまま飲んだりすることにより感染しやすくなります。

A型肝炎ウイルスは発病の前後10日間ほどの間に感染者がトイレで手をきれいに洗っていなかったりすると、周りの人に感染することがあります。

日本では、衛生環境がよくなってきているので、現在は流行はみられません。
東南アジアなど衛生環境が整っていない国では、感染源があります。
ですから東南アジアに旅行に行く際には、食事には十分気をつけなければなりません。 

食事の前やトイレの後は必ずきれいに手を洗う、生ものは決して口にせず、飲み水は煮沸したもの等予防に力を入れることは大切です。